2013.02.11 Monday
ことしの一本目、リハビリロッド

「テニス肘(ひじ)」ならぬ、「薪割り肘」を患っていた。2年以上前だろうか、準備運動もせずに、いきなりフルパワーで薪割り斧を振り回したものだから、肘は悲鳴をあげた。それもかなりの重症。以来、常に右肘に痛みを感じながらの生活が1年以上もつづいた。最近になって、ふと意識したら、痛みはなくなっていた。
肘を痛めてからは、ずっとある程度の重さの竿はダブルハンドを使用してきた。というより片手では痛くて振れないのだからしかたがない。渓流用の軽い竿なら肘に負担がかからない投げ方を覚えてなんとかなった。しかし、重いフライや遠投が必要な釣りは、すべてダブルハンドにたよっていた。
そうこうしているうちに痛みを感じなくなって、今度は指を骨折した。崖を降りる際に、なんと指一本で体重をささえてしまった。格好よく崖を降りようとした、とんでもない自分のミス。自業自得である。そんなこんなで、実に2年以上、自分用のシングルハンドロッドは作ってこなかった。
指の骨折は、指が曲がってしまい、ときどき痛みが走るものの我慢できなくはない。そこで、また、自分用に軽快に振り回せるシングルハンドロッドを作りたくなってきた。
自家製のリールシート。リールシートフィラーはナラ材を使用し、ニッケルシルバーのリング類はムクからの削り出し。恥ずかしながら自家製のリールシートははじめてである。自家製といっても、樹を作り上げたのは自然の力なので、正確には自分ち産の木材を使用して作ったリールシートという意味。自分で伐採し、薪割りのさいちゅうに偶然拾い上げられた木片が、6〜7年の乾燥を経て、やっとここに陽の目を見ることとなった。
普通じゃつまらないし、ついでもあったので、いろいろ飾りつけをしてみたくなった。エンドにはニッケルシルバーの飾りボルト(?)。
メジャーリングリング。普通、私の竿には、その竿の目標とするサイズがひと目でわかる位置にスレッドを巻いて印をつける。しかし、この竿の目標とするサイズは70〜80センチクラスである。ちょうどそのサイズだと、ストリッピングガイドの位置とかぶってしまうため、付け難い。しかたなく今回はニッケルシルバーのハンパもんがあったので、飾りとしてのリングをつけてみた。あくまでも飾り。
ワインディングチェックもニッケルシルバーの余り物で作った。
海の大物狙いの竿では普通に見られるダブルラップ。この竿でもやってみた。竿が曲がりガイドは曲がらず、ガイドフットの尖った先端部分が竿に刺さるかもしれないということでおこなわれるのだろう。より確実性を求めて、あらかじめスレッドを巻いてガッチリコーティング。さらにその上にガイドをとめてコーティング。ダブルラップ・ダブルコーティングである。効果があるかどうかは不明だが、少なくともココから折れるのは許されない。
フェルールエンドチェック。昔はこういう飾りのついたロッドもけっこうあったような気がする。釣り具屋さんで竿売り場を見ないせいかもしれないが、最近はあまり見かけていない。
つなぐときにガイドが一直線になるよう印もつけてある。
今回のブランクは、いつもとは違ってチョイ硬めの高弾性系カーボン。いつもならちょっと変わった素材を使うところなのに、いままでとは狙いが365度ズレている。一周回ってあと少しズレた感じ。そのズレはわずかなズレであっても、狙った方向にまっすぐ飛んでいけば、その差は大きくなるもの。いままでは釣り味を重視したり、粘りのある感じのロッドを好んで使っていた。今回のはどちらかといえば軽快な振り回しに向いた感じ、かな。とにかくキャスティングが楽しいし、ラク。リハビリにはちょうど良い。
リールシートにはフィンガーネイルトリム。フィンガーネイルビットなんてリールシート以外で、どんなシチュエーションで使うんだろう? なお、今回使用したフィンガーネイルビットはフライリール専用なので、クラシックなリールや、他の釣りのリールには合わない。寸分の狂いもなくジャストサイズ。ここまでピッタリサイズにしなくても良さそうなものだが・・・。
ちょっと見にくいですが、トップガイドはリング付きのもの。ワイヤーだけのものより重くなるので、高番手用なのですが、これが有ると無いとではずいぶんフィーリングが変わる。なので、重くなるのを気にしなければ絶対コレにするべき。
最近はラージアーバーの大口径リールを使う機会が増えてきているため、エンド部分にもある程度ボリューム感を持たせたくて、ちょっとモッコリさせてみた。
シェイクダウンは、今月(2月)末か、天候によっては3月か・・・。